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か・ん・こ・れ(完全に終わったんじゃねこれ)

 ――偉大なる王国の、死と再生。


 自分が凡人であると気付いたのは高校生の時だった。
 凡の線引きにすら劣る部分があると気付いたのは、何時頃だったろうか。
 今日も惰性で開くハローワークのウェブページ。2分に1回覗くツイッター。舌打ちはせめて心の中だけで。慢性的に痛む首をゴキリと鳴らし、スリープボタンを押す。
 ブラックアウトしたスクリーンには、情けない顔をした男が映っていた。
 俺にお似合いの、愛すべきクソッタレたおもちゃ箱。どうか永遠なれ地獄巡り。語尾へwを付ける代わりに、脳内の一太郎へそう打鍵した。
 よう、相棒。抱き締めてキスしてやりたいね、と破壊衝動を乗せて睨みつける、無表情の黒。

 ここで早速ネタバレをすると、俺は別にこの後突然の事故で死んだりしないし異世界へ転生もしない。勿論なんのチートも無い。冗長に引き伸ばされた時間が続くだけだ。
 未来視点から振り返っているという訳ではなく、常識として妄想を振りきっている訳でもなく、単にオタク的セルフツッコミである。
 現実の俺がしていた事といえば、サボリ気味の日課であるジョギングをひいこら言いながらこなし、更に引きこもってばかりじゃ悪いと無目的に出歩き、ゲーセンへやってきていた。
 軽くひと通りの音ゲーをこなし、金が無いので水分補給はトイレの手水を飲み、やれやれ一服と腰を据えた辺りで目に入ったのが、UFOキャッチャー。
 店内はなかなか五月蝿い。パチンコ屋の次くらいに。
 そんな雑音にも負けず、耳に届いた女の子の合成音声が、妙に耳触り良くて。1ゲームくらい久々にやってみるか、と気まぐれにのそのそ台へ近づく。

 見ればこの台、全体的な雰囲気がこう、古臭い。筐体も薄汚れて古い。周りから浮いている。よく今まで入れ替えられず生き残ってきたもんだ。
 プライズには沢山の人形たち。それも、ぬいぐるみ系。タイトルらしき題字曰く――ピヨちゃんアイランドの冒険。聞いたことのない名前だな、後でググろうか。携帯を取り出しかけて、いかんな触りすぎだとまたしまう。
 とりあえずクレジットを投入。さほど気負わずやったお陰なのか、X軸とY軸の
把握はどんぴしゃり。テレレレテレレレテレレレテレレレ、安っぽい電子音と共にクレーンが動き、そして。
 雪のように白く、おまんじゅうかはたまたおにぎりかといった丸い人形を掴むと、見事釣り上げた。
(つづく)
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