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優しさの為替相場

 日記らしい日記を書く時ばかり鬱めいている気がする。

 今日は一日、家族と温泉へ行ってきた。車で一時間半程度の山奥だ。
 家族サービス、という言い方は若干不適切だとわかっている。しかし、個人的にはそうだ。
 とても気疲れした。


 善人極まりなく、問題の多い子供二人を育てた功績は讃えられるべきで、しかし人生観と宗教への考え方がどうしても自分とズレている母。
 生活力のない自分を心配してよくご飯へ誘ってくれるし、御相伴に預かっている。話していても疲れないが、あまり楽しくはないし、人付き合いの枯渇具合を辛うじて癒してくれる交流だというのもわかっていて、しかし。死後の事を気にかけて弟との関係を最低限復活させたいと願っている。
 軽度の発達障害を持ち、過去様々揉め事を起こしたものの今は大分丸くなってきた弟。
 以前は蛇蝎の如く嫌いだった。今は彼も彼なりに頑張って日々を生きていることが伝わるものの、どうしても接していて無視できないストレスが溜まる。
 
 一番身近にいる他人。それが家族だ。心地よいから、切磋琢磨できるから、尊敬できるからと作ったものではない。
 それでも自分はまだ恵まれている方だと思う。
 しかしながら、未だ見ぬ惚れた女へ、尽くしたい欲ばかりが募り、胸の裡抱えた孤独を晒し合う姿を夢想し、お互いの寂しさに寄り添いながら新しい家族を作りたいと願う憧れが、圧倒的に強い。
 これはSNSでの刹那的な関係性へ慣れきったせいではない(ということにしたい)のだが、距離を開けるからこそ穏やかに保てる繋がりもあると思うのだ。
 なにより、血の縁を重い鎖のように扱いたくない。つまり今は思っているのだ、そうだ、きっと非難されるべきなんだろうが。

 パソコンのデスクトップで微笑む君の名前はミスティア・ローレライ。
 オタクの、コミュ障の、いやなんでもいいそれら特有の、弱虫の泣き言とどうか嘲笑ってくれるな。
 誰にでもある、恋した相手を座らせる席が、空いたままなのは寂しすぎたんだ。

 無職になってからもう五ヶ月になる。中間にひと月働いていたのはさておき。
 今度こそ本当の本当に貯金と全財産が枯れ果てるまでひと月かふた月か。
 別に遊んでばかりいたわけでは……10のうち7は時間の浪費だったけど……ないとはいえ、何故バイトくらいしないのか。
 取り返しの付かない後悔と青春。今現在己の人生に残った価値あるものが時間しかなく、それを支払ってなんとか息をしていた。
 自殺願望は地獄の企業に評判が悪い。死絡みはそれこそ縛り付ける鎖だ。自分の居ない、最初から居なかった世界のことを妄想する時間ばかり、麻薬のように甘い。
 
 気持ちを吐き出す経路をもっと精錬しなくては。
 人様に読ませる内容じゃないのに、いつも誰かを求めていて、布団は何も返事してくれない。











 …………と、↑を書いてからわずか数時間後。
 たまたま見た動画がかなり馬鹿笑いできるもので、更に偶然別々の人とごちうさ、ミスティアのテンポ内容満足できるリプ会話が出来た。
 単純な奴だと言われても甘んじて受けよう。
 インターネットは確かに怠惰と孤独を加速させたが、救いもまた同居していた。それだけである。

 
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